審美性を重視する場合はセラミック治療をお勧めします
セラミック治療の最大の目的は患者さまのQOL(生活の質)の向上です。日常生活、何気ないシーンで笑顔からお口元の美しさが際立ちます。
ほとんどの場合、単に歯の色を白く美しくすることがゴールとされがちですが、私たちはそれだけでは少し足りないと考えています。具体的には『歯の色』『歯の形』『歯並び』がバランスよく調和し、さらにこれを支える歯周組織(歯肉や歯を支える骨)の健全さ、確かなかみ合わせを踏まえ、しっかりと機能して初めて高いゴールに到達できるものと信じています。
調布市・つつじヶ丘駅から徒歩2分の歯医者「あらさわ歯科医院」でのセラミック治療をご紹介いたします。
前歯では光の透過性が自然な色合いにつながります。ジルコニア単体で処置する場合は少なく、ジルコニアのコーピング(ベース)にセラミックを焼き付けていく方法を選択することが多いです。
また奥歯ではかみ合わせの関係で強度を重視しなくてはならないケースもあり若干の審美性を犠牲にしてジルコニア単体での処置をお勧めするケースもあります。
ジルコニアを使用する利点は治療過程がシンプル。発色が良く色調が優れている。金属アレルギーが少ない。生体親和性が高い。ご自身の歯の色調を反映できることなどです。
ジルコニアを使用する欠点は長いブリッジでは精度の補正がむつかしいので適合が困難なこと。経年的強度・耐久性への不安定感(臨床的にメタルセラミックスなどと比べる歴史の浅い材料なので経年的強度や耐久性に若干の不安があります)。ご自身の歯の色調や形の影響を受けやすいことです。
コーピング(ベースとなるフレーム)は1000MPa、焼き付けているセラミックは80-120MPa
e.maxとは、多様性と柔軟性をあわせて持つセラミック素材です。ニケイ酸リチウムを主材としているため、ガラス系なのですが柔らかすぎず硬すぎないという優れた特徴を持っています。ジルコニアとともに、注目を集めている歯科治療素材です。強い力が加わっても、自分の歯を痛めることが少ないので、歯の寿命を延ばすことが出来る素材でもあります。おおよそ400MPa ジルコニアに比べると若干リーズナブルにご提供できます。
e.maxを使用する利点は白さ・透明感のいずれにおいてもオールセラミックスではもっとも審美性が高い素材なこと。適度な強度なのでかみ合わせなどで他の歯を傷める心配がすくないこと。金属使用によるアレルギーや歯肉の黒ずみなど弊害が少ないことです。
e.maxを使用する欠点は材質自体の審美性が高いので単独の装着だと綺麗すぎてご自分の未処置歯とバランスが取れないこと。製作する人の力量がでてしまう。セラミックスの宿命ですが衝撃に弱いことなどです。ブリッジには強度面であまりお勧めできません(可能なケースもあります)。
メタルセラミック、セラモメタル、メタルボンドともいわれます。かぶせる歯の周りに貴金属などでフレームを作りそこにセラミックを焼き付ける技法で製作します。臨床的に歴史もありどのような経過をたどるのか予想が立てやすいです。前歯で適応するには透明感に乏しくまた歯肉退縮時に金属のラインが見えたり透過したりすることもあります。しかし強度を重視する場合や多数歯にわたるブリッジでは予知性が高いこと、ろう着(金属同士を溶かした金属で着ける)が可能なので適合の修正やコントロールが可能なことから選択される場合も多いです。また、アジア人特有の歯の解剖学的形態から製作物のスペースが確保できない場合、部位によって選択することがあります。
ただし近年のメタルをお口の中から排除する流れには沿わない処置かもしれません。
ジルコニア、e.max、メタルセラミックなどに比べると審美性が落ちますがリーズナブルな価格帯なのでお選びになる方も多いと思います。レジンという歯科治療用の樹脂をセラミックの微粒子で強化したもので、形状や治療法はレジンに極めてよく似ています。ただし前歯で使うには厳しいという実感はあります。セラミックとレジンの良さを合わせ持つといわれていますが逆に悪さも目立ちます。
表面性状の劣化からプラーク(細菌)が付着しやすくなったり変色を引き起こす場合もあります。
この材質の処置ではお口の中の部位によって保険が適応できるケースもありますので一度ご相談ください。
また、症例によっては直接お口の中で処置ができる場合、短期間(即日)で対応できることもあります
いずれの材料、処置方法でも装着前の徹底的な歯周組織の改善と装着後のメインテナンスが安定した予後につながります。定期的なケアは安定したお口の中の維持にとても大切な要素と考えています。
セラミックの治療とは少し考え方が変わりますが、もちろん金合金や白金加金を使った詰め物、被せ物の利点も沢山ありますので疑問をお持ちの方はお気軽に質問なさってください。